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ファシリテーターから
Vol.80

新入社員研修を考える4 ~新入社員の悩み・・・外の人に相談してしまう前にキャッチを!

投稿者:吉村 啓邦更新日:2010/01/06

前回、新入社員が入社時研修の現場でかつての大学の友人に研修の様子を「写メ」を送る様を書きました。しかしどうやらこれは研修の様子のことだけではなさそうです。新入社員を対象としたとあるアンケートによると「会社を辞めたいと思ったときに誰に相談するか?」との返答に「社外の友人」と応えた人が最も多かったそうです。入社後しばらくして直面する仕事の問題や人間関係の問題もメールなどで大学時代の友人などに相談することが増えているようです。
また、Yahooやgooの相談サイトを見ても新入社員からの「会社を辞めたい」という相談がたくさん寄せられています。ちなみにグーグルで「会社を辞めたい 新入社員」と入力すると、11万件以上ヒットします。会社を辞めようとするときの相談の仕方も時代とともにずいぶん変化して来ていることが分かります。

しかし、少しさかのぼって、私が新入社員だったころ、まず真っ先に相談するのは同じ会社の同僚でした。配属の関係で近くに同期がいないときにはすぐ上の先輩などに相談したものです。いずれにしても仕事や人間関係の問題は、同じ会社で働く人が一番よく分かっているという前提の基、相談をしていたような気がします。
同じ会社で相談することのメリットは、こちらも相手も事情を良く分かっていたので的を射たアドバイスが得られるということにあったと思います。また、相談事を通じてコミュニケーションの量が増え、結果として、関係を深めることもありました。ただし、社外に相談すれば親身に話を聞いてもらいにくいながらも客観的な意見は得やすいかもしれません。

社外に相談するか社内で相談するか、いずれにしても一長一短あります。ただし、先輩や上司の立場から見たときの「社内の問題の的確な把握」という観点からすれば、社外に相談されてばかりだと難しいものがあるかもしれません。先輩や上司からすると「ある日、突然何の前触れもなしに人が辞めていき定着しない」という現象だけがあることになります。これだと問題の発見が出来ず対処も出来ません。社外に相談する人がいることも分かりますが、先輩や上司の立場からすれば、感情的にも少しは自分たちにも相談してほしいという気持ちがあるでしょう。

そこで、そもそも新入社員がなぜ友人に相談するのか、先輩や上司に相談しないのか、その理由を考えて見る必要があると思います。
先輩や上司は相談に乗っているつもりで、
・やる気のなさや能力の低さを責めている
・結局説教している
・過去の自慢話をしている
・自分と同じようにやる、自分と同じようになることを要求している
・辞められると困るという理由からただ辞めるなと説得している
ことが多いような気がします。

通常、先輩や上司本人には全くそのような自覚はないことが普通です。しかし、相談をした側が、先輩や上司のメッセージをそのように受け止めていることが少なくないのです。それが証拠に、先輩や上司が、相談してきた側が何を困っているのか深く理解しようとしたり、なぜ辞めたいと思うのか重ねて質問をしたりすることは稀です。
大抵は、一言、二言相談者が話をして、後は先輩や上司が一、二時間話しっぱなしというようなことも珍しくありません。まず会話の絶対量だけからしても、相手を理解しようとする姿勢に欠けています。それなのに、そうした先輩や上司が「どうしてそんなに辞めたい、辞めたい言うのかさっぱり分からん!」と考えていたりします。
先輩や上司からしてみれば取るに足らないことだと思うかもしれません。それでも新入社員には新入社員なりの事情や理由があり、それは一人ひとり違います。
新入社員研修の企画・運営にあたっては、新入社員が何か問題を抱えたとき、まずは自分たちのところにやってきやすくするべく、新入社員の目線に立った設計が必要でしょう。

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