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リーダーシップ - 今何が期待されているのか


時代とともに、企業と個人の関係が変わってきている中で、自分自身のアイデンティティを見出すこと、私はこういう生き方をしたい、というものを自らつくっていくことが今求められつつあるようだ。そしてこれは企業においてだけではなく、広く社会に目を向けてみても1つの潮流がすでに顕れてきていると吉村は指摘する。

「自分の価値観に正直に生きる」という潮流

吉村:最近では、5~6年前にはいなかったタイプで、強烈に影響力を発揮するタイプの人たちが増えていますね。学生や、NGOのリーダーですとか。 そこにあるのというのが、強烈な問題意識やただ関係をよくしたいとか、発展途上国の暮らしを改善したいだとかそういう思いがすごく強いんですね。自分の価値観に則ってすごくやりたいと思っているだけで、あまり事業として成立してなくてもそれを続けていくっていうのは、無償の愛に近いところがあります。
あとは最近日本よりもインドや中国にリーダーシップ・影響力が強い人が多いですよね。みんな国を背負っている感覚みたいなものがあって、日本や欧米を回ってそれを持ち帰って、自国をなんとかしなければという。戦後、日本の中でもリーダーシップを強烈に発揮したといわれる松下幸之助や本田宗一郎もそういう思いがあったのかなと感じます。そこに自分の命を殉じるみたいな部分があるんじゃないか。一番人間って・・むしろこう、ナチュラルで、自然でパワーがあるのかもしれないなと思ったりします。

吉村 啓邦
インパクトジャパン株式会社
プログラム・ディベロップメント・マネジャー

不確実な時代、価値観の浸透の重要性が高まっている

渋谷:私の会社でもそうですが、最近の不確実性が高まっている時代では、ビジョンというものが立てにくいですね。そこで、精神論のような、モットーのようなものをビジョンと呼んで、みんなの拠り所にしようということが多いのですが、私はやはりビジョンという考え方ではなく、バリューをベースにして経営していかなくてはならない時代になったんだと思います。

矢島:ウェイ・マネージメントってよく言われますけど、価値観を明確にしマネジメントする・・・そういうのが、個人と会社が関係が変わってきた中で、今後も注目されるのではないかと。不確実性の高まる時代で、特に海外進出するときなどには、必要だと感じています。 DNA、らしさ、イズムなど各社さん表現は様々だと思いますが、これは数年前もアイデンティティと言っていた時代があって。

渋谷:コーポレート・アイデンティティ、CIですよね。

矢島:はい。それがまた来ているんじゃないかという話もあります。そういうものをこのような現状に対してどう活用していくのかが、組織を導いていく力がリーダーシップになる。だから価値観というものがないとぶれると思うんです。まとまらないんですよね。 価値観は今あるものの中でいいものも、悪いものもありますし、こういうものにしたいというものをエッセンスとして入れていく必要もあると思いますが、いずれにせよ、どう作っていかに自然に浸透させていくかっていうことが重要と感じます。
「リーダーシップ」というテーマを敢えてフォーカスを絞り込みすぎずオープンに話してみようというところから始まった今回の座談会、思うところを思うままに語って頂き、気づけば2時間超。皆さんまだまだ話すことがありそうな余韻が…。そこには5人の皆さん自身がそれぞれの現場でリーダーを育てたい、リーダーが育つ会社にしたいという思いがふつふつと流れているようにも感じられた。
5人の皆さんがそれぞれのフィールドで、自分自身のアイデンティティを見出し、会社の価値観や日々起こる現実の状況と照らし合わせつつ、考えたり悩んだりしながら自分の思いを実現しようとしている。その中で自分が感じていることや考えや疑問をこうして正直に述べ合う。他者の発言や異なる見解に刺激されてさらなる考えや思いが引き出される。考えが整理され、新たな発見や実感、ときに新たな疑問が生まれる。図らずも、今この場にいる皆さんのあり方そのものに、まさに皆さんのリーダーシップの一面とその影響を見せて頂いたような気がした。
今回の座談会は、2009年8月18日(火)にインパクトジャパンで行われた「momentum IMPACT networking club 座談会」の内容を掲載しております。

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